キッチンにあるだけでオシャレ感アップのアルミフライパンが人気急上昇

鉄フライパンと並んでプロが使用するフライパンといえばアルミフライパンです。銀色に輝くアルミフライパンでイタリアンのシェフが作るパスタを絡める姿が頭に思い浮かびますが実は奥が深い調理器具です。

同じフライパンなのに使い方は鉄フライパンと違い、別の特徴があるので鉄フライパンと比較しながらアルミフライパンの魅力に迫っていきます。

アルミフライパンと鉄フライパンどっちが便利?

アルミフライパン

同じフライパンなのですが大きな違いは熱伝導率の違いです。アルミフライパンは熱伝導率が高く鉄フライパンは熱伝導率が低いということです。これはフライパンが持つ蓄熱性に大きな違いを与えています。ここではアルミフライパンと鉄フライパンそれぞれの違いを比較しながら紹介します。

アルミフライパンのメリット

  • とにかく軽い
    鉄フライパンのように重くはないので非力な女性でも扱える軽さがとにかく魅力です。鉄フライパンは重くて苦手という女性でも簡単に扱うことができます。
  • 熱伝導率が高くと蓄熱性が低い
    アルミフライパンは熱伝導率が高くコンロの火力もフライパンにはダイレクトに伝わるので弱火、強火の調整が簡単です。また蓄熱性が低いために熱しやすく冷めやすい特徴があります。この2つの性質は細かな温度調節が必要なソース作りや乳化現象が必要なパスタソースなどに非常に向いています。
    逆に鉄フライパンは一度温めると冷めにくい性質があるので焼く、炒めるには向いていますが、温度の微妙な調節にはついていません。
  • 水分調節が簡単
    熱伝導率が高く蓄熱性が低いということは細かな温度調整ができることです。アルミフライパンがパスタやソース作りに多く使われる理由は水分調整が出来る点です。
    サッとコンロを強火にしてちょっと煮詰めて水分を飛ばしてそこで止めたい時にはコンロから外すというような微妙な温度管理もバッチリです。
    逆に鉄フライパンは熱伝導率が低く、コンロの火を止めても余熱が長く続くために、必要な水分まで飛んでしまう場合があるので細かな温度調整には向いていません。
  • 食材の状態を見極める
    鉄フライパンが黒いののは黒サビと炭化皮膜によるもので、表面が黒いため綺麗なソースを作ろうと思ってもアルミフライパンは黒サビや炭化皮膜は付きません。
    そのため正しく使えばズーッと銀色なので食材の色、特にソースなどの色がはっきり分かります。

アルミフライパンのデメリット

  • 高温で使えない
    アルミフライパンは高温での調理に向いていないので焼くや炒めるという調理には向いていません。
  • 引っ付きやすい
    油なじみが良くない上、油を高温にして作る炭化皮膜が鉄フライパンのようにできないのでよく油まわしをしないと食材が引っ付きます。
  • 酸に弱い
    アルミでできているため酸に弱く溶けてしまうので酢を使う料理には向いていません。

アルミフライパンと鉄フライパン最終ジャッジ 使い勝手はどっちが上?

メリットとデメリットを見ても分かりますが、アルミフライパンは鉄フライパンと比べるとやや取り扱いが難しくなります。そのため寄りプロ仕様という側面が強く何にでも使えるオールマイティのフライパンではありません。

使い勝手という側面だけで見ると鉄フライパンの方が上でしょう。しかし微妙な火加減など利用に完璧を求めるならアルミフライパンは持っておいた方が絶対便利です。

メインのフライパンは鉄フライパンを使い、アルミフライパンはパスタやソース作りのサブとして持つのがおススメです。使い勝手はさておきなんといっても、アルミが放つ輝きがおしゃれでキッチンが華やかになります。

購入前に読みたい アルミフライパンを使う前のお手入れ方法

そのまま使うと変色したり黒ずみがついたりしますので購入後のアルミフライパンは鉄フライパンと同様に使う前の一手間が必要です。

使い始める前に、お米のとぎ汁とクズ野菜を少しに立てることで酸化皮膜がフライパン表面に出来上がるので変色や黒ずみを防ぐことができます。

酸化皮膜は薄く壊れやすいので鉄フライパンで作る炭化皮膜とは異なり育つことはありません。この作業は鉄フライパンのシーズニングのように一回だけではなく、気がついたらこまめに行います。

黒ずみができてしまった時のお手入れ方法

黒ずみの原因はアルミフライパン表面で起こる化学反応によるものです。
アルミは空気に触れることで薄い酸化皮膜ができこれが腐食やサビを防いでいます。しかし酸化皮膜は壊れやすい性質を持っています。

酸化皮膜が壊れるとアルミの素地が出てきてしまいますが、アルミと水に含まれる物質が反応すると水酸化アルミニウムができミネラルなどと反応を起こすことで黒ずみが発生します。

このようしてできた黒ずみを取り除くにはレモンに含まれるクエン酸の化学反応を利用して取り除きます。

アルミフライパンに水とレモンの輪切りを4、5枚入れて少し煮立ててやることでアルミとクエン酸が反応して黒ずみが取れます。アルマイト加工されたアルミフライパンでは酸化皮膜が守っているので黒ずみの現象が起こりにくいとされています。

焦げてしまった時のお手入れ方法

地金が出ていてコーティングされていないアルミフライパンとアルマイト加工されたアルミフライパンではお手入れ方法が異なります。

フライパンの取り扱い説明書には記載があるのでアルマイト加工されたアルミフライパンで焦げ付いた時は注意が必要です。

アルマイト加工ではないアルミフライパン

鉄フライパンでも紹介したように地金が出ているアルミフライパンはコーティングを傷つける心配は要りません。クレンザーやたわしを使ってしっかりとこすり落とします。
焦げや汚れを放置するとそこから腐食していきますので料理のあとは必ず綺麗に焦げや汚れを落とします。

アルマイト加工は注意が必要必要

アルミフライパンの特殊コーティングにアルマイトがありますが、実は自然にできる酸化皮膜を人工的に作ったものだとご存知ですか?

アルミの腐食を防いでいるのが、アルミが大気に触れることでできる酸化皮膜です。しかし自然にできる酸化皮膜自体はものすごく薄いためすぐに壊れてしまいます。そこで酸化皮膜を人工的に厚くコーティングする技術が開発されました。

アルマイトはかなり丈夫で厚くコーティングされているケースが多いですが、洗う時には研磨するような洗い方をしてはいけません。

焦げがついたらお湯でしっかり柔らかくしてからスポンジなどの柔らかい材質のものでふき取るように丁寧に洗っていきます。

アルミの地金が出ているアルミフライパンのようにクレンザーやたわしなどは使わないようにします。

アルミフライパンが得意な料理ランキング

アルミフライパンは鉄フライパンと違い、熱伝導率が高く蓄熱性が低いため一定の温度で調理する料理に向いていません。また、高温に弱いため、焼く、炒めるなどの調理にも向いていません。
しかし、アルミフライパンは熱伝導率の高さと蓄熱性の低さを利用することで細かな温度調整が必要な調理に威力を発揮します。

パスタ料理にアルミフライパンが使われる理由を聞いて驚いた

イタリアンレストランに行くとずらっーと銀色に輝くアルミフライパンが吊るしてあるお店があります。パスタを作るときに最初にイメージするのはシェフがアルミフライパンを煽ってソースを絡めているシーンではないでしょうか?

パスタ料理のようにソースがベースとなる料理にはアルミフライパンが向いているからです。パスタに限らずアルミフライパンをあえて使う理由をパスタ料理を例にしてみていきましょう。

パスタ料理にアルミフライパンを使うメリット

  • 乳化が簡単にできる
    パスタソースの調理方法で乳化と言われるオイル系のソース作りの工程があります。水と油は本来混ざりませんが、パスタの茹で汁に含まれるデンプンやグルテンのが作用してオイルと茹で汁が均等に混ざり白濁したソースができます。高温で行うことが乳化させるコツですが、鉄フライパンの場合、高温にした後に冷めにくいので水分が全て飛んでしまいます。その点アルミフライパンは熱しやすく冷めやすいのでオイルを高温にして茹で汁を投入して乳化が起こった後は火から外せば必要以上に水分が飛ぶことがありません。
  • ソースの色はパスタの決めて
    パスタソースに限らず、料理に使われるソースは素材との色のコントラスト、盛り付けた時の色彩、ソースの出来具合など、色が決めてになるケースがほとんどです。見て楽しむ、目で食べるということです。
    先程紹介した乳化現象も白濁したソースになることが乳化の決めてですが、アルミフライパンの場合は表面が銀色なので乳化具合を確認できます。ジェノベーゼやトマトソースなども色味を見ながら作れます。また、スイーツ作りでもジャムソースなど色鮮やかなソースが盛り付けの時に大事になるので色を確認するためにアルミフライパンが使われます。
    鉄フライパンは炭化皮膜で黒く覆われていると色が確認できないのでお皿に盛り付けた時がなかなか想像できないデメリットがあります。
  • ソース作りは温度が決めて
    パスタは茹での時間とソースを作るタイミングが出来上がりを左右します。ここを誤るとパスタが伸びてしまったりぬるめのパスタができたりと失敗が多くなります。
    アルミフライパンは熱伝導率が高いので、ソースが先に出来上がっても茹で上がりのタイミングでフライパンを火にかけるとすぐに温まります。また、ソースを作るときに必要な細かな温度管理が可能です。温まり過ぎたら火から外し、また火にかけてという微妙な温度管理はアルミフライパン出なければできません。
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