鉄フライパンは焦げ付きがあったり、食材が引っ付いたり取り扱いが面倒で難しいと思っていませんか?
鉄フライパンは思ったよりも取り扱いは簡単で正しく使えば一生使える相棒です。
育てた鉄フライパンはたわしやささらでさっと洗ってすぐに次の料理に取りかかれる調理の時短アイテムの一つです。自分だけの鉄フライパンを育てて料理をさらに美味しく頂きましょう。
ここでは鉄フライパンの正しい使い方やおすすめの鉄フライパンを紹介します。女性でも扱える軽いフライパンの紹介もしていきます。
鉄フライパンのメリットデメリット
鉄フライパンは万能ではなくメリットデメリットがあります。普段の料理を考えてアルミフライパン、テフロン加工、鉄フライパンどれが自分にあっているか考えてサイズを決めましょう。
メリット
熱伝導率が低いメリット
熱伝導率は熱の伝わりやすさを表しています。プロは料理の種類によってフライパンを複数持っています。
熱伝導率の低い鉄フライパンは一度熱すると高温を維持しやすい為、高い温度で焼き上げる料理に向いているのが、熱伝導率の低い鉄フライパンです。
高温を維持する
熱伝導率が低いことは温まりにくい反面一度温まると冷めにくい特徴があります。そのため食材を入れた時にフライパン表面の温度が下がりにくい特徴があります。鉄フライパンは一度温めると弱火で調理が可能なのは熱伝導率の低さにあります。
高温で一気に火を通す中華料理で鉄フライパンが好まれるのは180度近くまで熱した油とフライパンに食材を入れても温度が下がりにくいためです。
耐久性が高い
鉄フライパンは素材が鉄なので正しく手入れすれば一生使えます。
テフロン加工のように表面加工されたフライパンは表面のコーティングがいずれ剥げて買い替えが必要になります。
鉄フライパンは表面のコーティングは油です。酸化被膜と言いますが単純なコーティングでしかもこのコーティングはシーズニングなどで自分で行うことができます。
焦げ付きや汚れが気になってきたら思い切ってリセットする方法もあります。リセットしてもまたシーズニングをして育てることで以前と同じように使えます。
鉄フライパンは料理アイテムの一生使える相棒です。
デメリット
温度調節が苦手
熱伝導率が低い鉄フライパンは火を入れる、止めるなど細かな調節をしてもフライパンの温度が下がらないので、温度調節が苦手で、繊細な温度管理が必要な料理にはむいていません。
プロは細かな温度調節が必要なソースやパスタを和えたりするときは熱伝導率の高いアルミフライパンを使います。
アルミフライパンはコンロの火力調節がダイレクトにフライパンに伝わるので繊細な温度管理が必要な料理に向いています。
重い
テフロン加工されたフライパンよりも圧倒的に重いのが鉄フライパンです。女性には取り扱いが少し大変です。
特に鉄フライパンのメリットを生かすには底厚や板厚を選んだ方が良いのでより重くなります。奥様がメインで使うなら18cm、旦那様がメインで使うなら24cmぐらいまでが取り扱いに楽なサイズです。
食材が張り付いたりくっつく
鉄フライパンのイメージとして食材が張り付いたり、くっついたりというネガティブなイメージがあります。
このイメージはテフロン加工のフライパンが出回り始めた頃にCMやテレビショッピングで植えつけられたものだと知っていますか?
後から説明しますが、手入れを正しく行った鉄フライパンはテフロン加工と同じぐらい取り扱いが簡単で、食材がくっつくことはありません。
手入れ方法が面倒
鉄フライパンは少し手入れが面倒です。テフロン加工のフライパンは洗剤で洗って軽く吹いてしまうことができますが、鉄フライパンは洗剤で洗えません。たわしで洗って、火にかけて乾かして油を塗り込んでと少々手間がかかります。
慣れてくるとたわしで洗ったフライパンを他の洗い物をしながら火にかけたりと大して手間とは思わなくなります。
手がかかりますが、愛着も湧くので鉄フライパンを自分好みにすることを育てる、育成などの言葉で表現されています。鉄フライパンは正しい手入れ使えば使うほど使い勝手がよくなります。
中華鍋と鉄フライパンどっち?
中華レストランでコックさんが中華鍋を振って炒飯や野菜炒めを作っているのに憧れて中華鍋を買うケースがありますが、その選択はちょっと待った、です。
中華鍋は炒める時に素材を鍋の中でしっかり回すために比較的薄いものが多いのです。業務用コンロは火力が強いので材料を入れても火力を上げれば高温で炒められますが、家庭用コンロではどうしても温度が下がります。
厚底の鉄フライパンで少量の材料を入れて作れば温度が下がらずお店の味に近づきます。
中華鍋は鍋を振って食材に満遍なく火を通すために形状が丸型で底も平ではなく丸くなっています。中華料理では鍋を振るため薄めに作られていることがほとんどです。
業務用ガスコンロは火力が強いので熱した後も高い火力で中華鍋の温度を維持できますが家庭用ガスコンロは火力が弱いので薄い中華鍋だといくら鉄でも温度が下がります。
家庭で中華鍋を使うときは、食材は少なめの一人分ぐらいまでが鉄フライパンのメリットを最大限に出すことができます。
家庭ではどちらかといえば、底厚や板厚の鉄フライパンを選んだ方が熱伝導率の低い鉄フライパンのメリットを生かすことができます。
鉄フライパンの正しい選び方
あえて鉄フライパンを購入して料理をしようと思い立ったら正しく鉄フライパンは選びたいものです。家庭用ガスコンロは業務用よりも火力が弱いので大きな鉄フライパンを買っても性能を発揮できない場合があります。またIHを使っている場合はIHでも使えるか必ず確認が必要です。
ここでは家庭用ガスコンロやIHにあった鉄フライパンの選び方を紹介します。
鉄フライパンの能力を最大限に発揮できるぴったりのサイズと厚さとは?
大きな鉄フライパンで大量に料理をすることは家庭用ガスコンロの弱い火力ではまず無理です。家庭用ガスコンロで鉄フライパンのポテンシャルを発揮するために確認することは2つです。
- フライパンのサイズ
- フライパンの厚さ 特に底の部分
ここに上げた2つのポイントはフライパンを食材をフライパンに投入した後も高温に保つために必要な要素です。
サイズ
家庭用ガスコンロでは24cmのサイズを選ぶのが最も使いやすく鉄フライパンの性能を引き出します。標準的なガスコンロの配置でも24cmなら隣のコンロで使っている鍋にも当たらず最適です。ほとんどのIHでも24cmまでなら対応しています。
料理する量の目安
サイズ選びには家族構成や一度に調理する量も考慮しなくてはなりません。家庭用ガスコンロを使って鉄フライパンで調理する量は底の面積に対して最大でも3分の2ぐらいまで、最大限に性能を引き出すなら3分の1くらいまでが性能を発揮できる目安です。特に焼き料理の場合は、少ないほど美味しく調理できます。
厚さ
底厚や板厚と書いた鉄フライパンを選んでください。底厚や板厚になると重くなりますが、薄い鉄フライパンは家庭用ガスコンロでは使っている意味がほとんどありません。
特に食材を入れた時に最も温度が下がりやすい底の厚さは必ず確認しましょう。底厚であることが高温を維持するためには必要です。
鉄フライパン購入後に料理の前にシーズニングは怠るな 手順を徹底解説
購入した鉄フライパンが届いたらすぐにでも使いたくなりますが、ちょっと待った!
テフロン加工と異なり鉄フライパンは油で表面をコーティングして料理が焦げ付かないようにするシーズニングという作業が必要です。シーズニングは油を馴染ませるだけの作業ではなく実は化学反応を利用した昔からの知恵なのです。これを怠ると焦げ付く鉄フライパンになってしまうので気をつけましょう。
鉄フライパンの中にはシーズニングが不要と書いてあるものもあるので説明書は必ず読みましょう。
シーズニングの手陣を完全解説
洗う
フライパンはお湯とたわしでよく洗い、サビ止めで塗ってある油やワックスをしっかり落とします。この時点ではしっかりと油とワックスを落としたいので洗剤を使っても構いません。注意 シリコン塗装や特殊コーティングの場合は次の工程になる黒サビをつける作業の要らないものがあります。その場合は使い始めの洗い方を説明書で確認してください。
黒サビコーティング
フライパンを火にかけて600度になるまでしっかりと熱して火入れをしていきます。この時注意するのは油を使わずに空焚きをすることです。黒サビは酸素と鉄が反応してできるので油を入れると酸素が鉄に触れなくなるので黒サビができません。表面が青みがかった灰色になってきます。表も裏も縁も全体を青みがかった灰色に仕上げます。この作業を焼き切ると書いているサイトもありますが、実際には焼き切るのではなく黒サビをコーティングする作業です。解説1
黒サビコーティング後はしっかりと洗剤で洗います。黒サビができる工程では黒サビだけでなく赤サビもできています。しっかり洗うことで赤サビを落とします。
炭化皮膜をつける
炭化皮膜は油の成分の煙を出して炭化する事でできます。油を炭化させて作るので油まわしのように、たっぷりの油は必要ありません。表面に油を満遍なく塗り込んでから煙が出るまでしっかりと鉄フライパンを熱します。この時やりすぎに注意します。やりすぎると油が全て揮発して炭化皮膜となった成分はただの炭になります。表面が油で濡れているように見える程度でやめておきます。
解説2
炭化皮膜を育てる
クズ野菜を油で炒めて炭化皮膜を育てます。鉄フライパンは使い始めにまずクズ野菜を炒めますがこれは炭化皮膜を作るためです。鉄フライパン全体でしっかりと煙が出るまで炒めていきましょう。
鉄フライパンを育てるためには使い始めから一週間ぐらいは野菜炒めなど比較的食材の引っ付かないものを調理すると表面が黒くテカテカに光り食材が引っ付かない鉄フライパンが完成します。
解説1
青みがかった灰色の正体は黒サビです。黒サビはサビと名前が付いていますが四酸化三鉄という成分で鉄と酸素が600度で触れ合うとできる成分です。黒サビは赤サビを防止するためにはつけるもので引っ付きにくい鉄フライパンになるわけではありません。シリコン塗装された鉄フライパンはシリコンによって鉄と酸素が触れ合わないので熱しても青みがかった灰色になりません。特殊な塗装がしてある鉄フライパンでは黒サビをつける工程は必要ないので説明書を必ず読みましょう。
解説2
真っ黒な鉄フライパンが焦げ付かないのは炭化皮膜で覆われているからです。酸化被膜と書いているサイトもありますね。炭化皮膜は細かな穴が空いた多孔性の多孔性の膜です。穴がたくさん空いているのでこの穴に油が入り込んで油が表面に保持されやすくなります。これが引っ付かない鉄フライパンの秘密です。炭化皮膜は使えば使うほど厚くなっていきます。これが鉄フライパンを育てるや育成すると言われる所以で、洗剤で洗わないのもせっかく育った炭化皮膜を落とさないためです。
使う前の油まわしで材料が引っ付くのを防ぐ
どんな料理にも当てはまりますが鉄フライパンは使う前に必ず煙が出るまで熱して大量の油を入れてしっかりと油をフライパンに馴染ませます。しっかりと鉄フライパンに油を馴染ませたら油はオイルボットなどに戻して料理に必要な油だけを入れて調理します。
これは油まわしや油返しと言われる鉄フライパンを使う上での一連の流れなので必ず覚えてください。油が健康に良くないので、少量の油で調理するのは食材が引っ付くので鉄フライパンでは厳禁です。油まわしをしっかりとする事でフライパン表面に脂が馴染んで油膜ができ材料がフライパンに引っ付かなくなります。
鉄フライパンは油まわし用のオイルポットを用意しておくと便利です。